こんにちは。
佐々木です。
今回は難経2ケタ突入の回でございます。
内容としてはかなりマニアックな部分で、正直なところ自分の場合意味は解っていても、
治療には活かせてはいません。
そして今回のは言葉で説明するのは大変難しい為、読んでもチンプンカンプンだと思われますので、
考え過ぎずに読んで下さい。
十難曰。 一脈爲十變(変)者。何謂也。
十難に、1脈が10種に変化するとは何なのか。
然。五邪剛柔相逢之意也。
それは、1脈が5種の剛柔の邪を受けて起こるものである。
假令。心脈急甚者。肝邪干心也。心脈微急者。膽(胆)邪干小腸也。
たとえば、心脈が急甚なのは、肝邪が心を侵しているからである。
心脈が微急なのは、胆邪が小腸を侵しているからである。
※急=緊張した脈
心脈大甚者。心邪自干心也。心脈微大者。小腸邪自干小腸也。
心脈が大甚なのは、肝邪が心を侵しているからである。
心脈が微大なのは、小腸が小腸を侵しているからである。
※大=大きくうねるような脈
心脈緩甚者。脾邪干心也。心脈微緩者。胃邪干小腸也。
心脈が緩甚なのは、脾邪が心を侵しているからである。
心脈が微緩なのは、胃邪が小腸を侵しているからである。
※緩=緩慢な脈
心脈濇甚者。肺邪干心也。心脈微濇者。大腸邪干小腸也。
心脈が濇甚なのは、肺邪が心を侵しているからである。
心脈が微濇なのは、大腸邪が小腸を侵しているからである。
※濇=かすかな脈
心脈沈甚者。腎邪干心也。心脈微沈者。膀胱邪干小腸也。
心脈が沈甚なのは、腎邪が心を侵しているからである。
心脈が微沈なのは、膀胱邪が小腸を侵しているからである。
※沈=沈んだ脈
五藏各有剛柔邪。故令一脈輒變。爲十也。
五臓各々に剛柔の邪があり、故に1つの脈が10の脈に変化するということである。
※甚=本来より深部で触れられるもの
微=本来より浅部で触れられるもの
これで終わりなのですが、例として心の脈が挙げられています。
ここでいう心の脈というのは寸関尺の脈でいう心の脈ではなく、
脈を診る時に触れられる部分として、
一番浅い所から一番深い所までの丁度真ん中で感じられるものを心の脈とします。
1cmも無い間に、上から下までに臓腑の脈が当てられている訳なのですが、
自分にはその違いまで感じられません!!
ということで活かせてないということなのです。
せいぜい脈全体に於いて、
強い弱い、太い細い、硬い柔い、速い遅い、滑らかか引っ掛かるかが判るぐらいで、
その中の真ん中で触れられる心がドウタラコウタラとかワタシニハワカリマセーン。
これが判ればもっと理解は深まるのかもしれませんがとても難解です。
とりあえず今回のは、剛柔(陰陽的なニュアンス)の臓腑の邪によって脈の状態が変わるとだけ
理解できればOKかと思われます。