スポーツ選手は、故障を経験して初めてケアの大切さを知ります。
「競技をしている子供が自己ケアをしてくれない」最近、そんな話になりました。
実業団でプレーしていたお父さんの言葉です。
もちろん、お父さんもそれだけの選手ですから、故障と戦いながら、勝負してきたと思います。
しかし、自己ケアや治療も経験値です。
もちろん、お父さんの、元気な時代も自己ケアなんてしなかったと思います。
自分の弱点や故障をいかに克服するかが、治療する側から見るトップアスリートの条件だと思います。
以前も話しましたが、全国レベルの選手は、おおよそ人体の生理学まで理解している人が多いです。
そして、それに伴う行動力を持っています。
治療院選びもその一つです。
当院の様な、東洋医学も取り入れている所。
自己治癒力を引き上げる所です。
それを、感じ取れる選手もいれば、まったく感じない選手もいます。
ファイテンや酸素カプセルと一緒です。
陸上選手や長距離の選手は、その違いを敏感に感じ取ります。
解らない人は、痛いその場所だけ治療してくれれば良いのにと思います。
お父さんも、普通に全身治療がオススメと言えばそうしてくれました。
それを、ある意味理解できる程の経験が有るからだと思います。
少し回数を下さいと言えば、次の予約を入れてくれます。
そこに、選手の「質」が見える気がします。
「痛い所だけ、一回だけ治療して」治らないと言う人も沢山、居ます。
失礼ですが、その人は、そこまでの人だったと思うしか有りません。
鍼灸で自己治癒力まで引き上げている事を感じ取れる訳も有りません。
この方達を自分側から見させてもらえれば、一回の風邪薬を飲んで、自分には効かなかったと言っている人と同じです。
ある程度の年齢で「今まで、大きな故障もした事が無い。」と言う天才タイプの選手を見る時。
大きな故障だけはさせてはいけないと思います。
何故なら、故障からの立ち直り方を知らないから、どん底まで行ってしまうからです。
若いうちに経験させて置けば、謙虚な選手にもなりますが、天才は、天狗さんが多いです。
天狗さんは、故障した時、恐らく死にたいほど辛くなると思います。
その反面、これも、以前話しましたが、トップアスリート(全国レベル程)謙虚です。
凄いですね!と言う言葉に
本当にたまたまなんですよ!と言います。
これも、経験がそうさせているように思います。
一歩、違えば、勝てない事を知っているからだと思います。
一瞬の出来事で、大変な治療期間を必要とする事。
自分の肩もそうですが、やっとの思いで治っても、一回のミスでまた何ヶ月もルーズショルダーのままだったり。
そう言う事を繰り返して、もう二度とこんな目に合いたくないと思って、経験すると思います。
それを、飼い殺せるかどうかだと思います。
自分は、飼い殺せませんでした。
恐らく当時治療に当たった方も気が付いていたんでしょうね。
こいつには、克服できないって。
当時の自分と、来ていただいてる。自己ケアできる患者さんでは、圧倒的にレベルが違うと思います。
そういう差です。
故障も自分の一部としてさらに高みを目指せるのか。
故障して嘆くのか。
これも、才能で、自己ケアの天才なんだと思います。
もしかしたら、本当の天才のポイントは、ココにあるのでは?と思ったりします。
以前、星野仙一さんがテレビで言ってました。
最後にものを言うのは、選手生命の長い人。
自分も「そうそう」と思いました。
外野から見れば、一回の優勝も大事ですが、中からみれば、君臨し続ける事は、一回の優勝にも勝ると思います。
※ちなみに、プロ野球のピッチャーの選手生命は2~3年でしょ!とも言ってました。
プロの条件は80%の力を出し続ける事とも言ってました。
これは、他の患者さんにも、仕事の出来る人はそうだと、再び思い出しました。
全力には、それに伴うリスクもある。
疲労が、判断力を無くし、失敗を招く。
80%をキープすることが、良い仕事をする為の秘訣と言ってました。
話が、それましたが、故障はほとんどの選手が経験します。
10代では少なくても、30代までには、故障経験の無い人なんて数えるぐらいになります。
40代には、極稀になるのではないでしょうか?
そして、選手生命の長い人は、意外と若い時に、難しい故障と向き合った事のある人、もしくは、マメに故障する人です。
そして、意外と早いのが、年齢を重ねるまで故障が無かった人です。
焦りや天狗になっていた事。
それを、年を重ねてから知ると、若い子よりも治りは遅く大変です。
故障する事も大事な選手作りだと思います。