第三回目になるのですが、今回は佐々木が書かさせていただきます。
60代女性。
①初診
初診ではめまいと吐き気 、肩こりがあるということで来院されました。
胃の調子に関しては長い年月良いとは言えない、ということで診させて頂きました。
毎日胃薬を欠かさず服用しており、
それを減らして、最終的に辞めるということを目標に始めました。
色々聞かさせていただくと甘いものはほぼ毎日ということでしたので、
最初は気持ち減らしていただくよう指導させていただきました。
治療方針としては胃の治療をメインにすることで主訴の粗方は改善され、
肩こりも同時進行で少しづつ変わるだろうと思い、
様子を窺いながら進めていくことにしました。
初回の治療を終えて、
少しお腹と足が温かくなったとのこと。
治療ペースは内科症状ですので、まずは詰めて通っていただき、
その後の経過を診ながら変えていく形にさせていただきました。
②2日後に2回目の治療
この日は少し調子が落ち気味とのこと。
手足、お腹にも冷えが診られたのですが、
お腹の深部のコリが浮いてきているようにも思えたので、
前回とほぼ同様の治療をさせていただきました。
この治療辺りから治療中にお腹がグルグルと動き始めることが増えました。
③5日後に3回目の治療
治療から1週間経ったので薬の量を聞いてみたところ、
胃薬を飲まなくても大丈夫な日があるとのこと。
お腹のグルグルが更に増えてきました。
動かなかったものが動くようになって、
今度を動き過ぎる傾向にあるのを落ち着かせる意識で治療をさせていただきました。
④2日後に4回目の治療
調子は割りと良く、手足の冷えも若干感じづらくなったとのこと。
治療時の感覚としてもお腹の硬さも取れてきて、
さらに原因を追及しやすくなったと思いました。
⑤5日後に5回目の治療
胃薬を飲む回数が1日置きになったそうです。
こちらとしても少し調子が変わってきた感じがしたので、
ここで1度、1週間空けて様子を見させていただくことにしました。
⑥1週間後に6回目の治療
変わらずに飲む回数が1日置きとのこと。
体感的にも胃の調子が悪くないと仰ってました。
1週間でも大丈夫そうでしたのでここから1週間に1度のペースに変更しました。
それと頚を緩める運動を指導させていただきました。
⑦1週間後に7回目の治療
胃の部位を触ってみると胃の冷えが浮いてきた感じがしました。
状態としては胃に定着していた冷えがフワフワと浮いてきて、
治療を続ける事でさらに変化させることができるような状態です。
また患者さん自身は「薬を飲まなきゃ。」っていう感覚が減ったそうです。
2日空けることもあったみたいです。
⑧9日後に8回目の治療
まだ胃の硬さはありますが、最初と比較するとかなり緩んでいて、
お腹のグルグルも大分落ち着いてきました。
薬の服用も週に1,2回のペースだそうで、
辞めるのもあとは気持ちの問題かもしれません。
胃が大分落ち着いたからなのか
肩こりに意識がいくようになったみたいなので、
次回から肩こりを中心に治療を進めていきます。
現在はここまでで、治療継続中となります。
この方の症状は割と早い段階で変化が起きたので良かったですが、
内科症状となりますとどうしても変化が分かりづらく、
変化を感じないから治療を辞める。という方が稀にいます。
しかし、なかなか1,2回で変えていくのは実際のところ無理があります。
最低でも3回やって、変化を少しでも感じれれば、
続けることでちゃんと効果を見出すことができると思います。
内科症状に限らず、長年積み重ねて出来上がる症状がほとんどで、
「突然○○が悪くなった」といったことは基本的にないと思います。
ですので、それを治す場合も然り、
「突然○○が良くなった。」は基本的にないと思っていただけると
治療にも取り組みやすいと思われます。
短気は損気。
内科症状を治すにも他の症状を治すにも、
治療をするにあたってのキーワードになると思われます。
まとめ
胃の調子ということで、まずは4,5回で変化を感じてもらって、
そこから更に5回で気にならないぐらいになれば、
ということで治療させていただきましたが、思ったより早く変化が出ました。
今回の方の場合は「薬」という一見指標にならなそうなものを
指標とさせていただきましたが、案外この薬が厄介なもので、
薬自体が体に負担をかけるものですのでここへの依存を絶てれば、
更に少ない治療や、食事に少し気を遣うだけで
身体のケアを容易にできるようになると思います。
長年服用しつづけていらっしゃいますので、このまま調子よくいけるか、
といったところには少し不安がありますが、確実に前進させていきたいと思ってます。
今回は「胃」でしたが、
胃が悪いとイライラしやすくなり、どうしても世間への視野が狭くなりがちです。
本調子ならなんてことないことでも気になるようになったりして、
ノビノビと生きづらくなってきます。
なので治す時はしっかり治して、心も体もノビノビと過ごしていただきたいと思います。
迷っている方も今回の症例を1つの参考としていただけたら幸いです。