こんにちは。
佐々木です。
脚が上がらない、前に進まない、といった患者さんを治療させていただくのですが、
果たしてその原因はどこからなのか。時折迷宮入りする時がございます。
脚が上がらないから原因は脚なのか。
これはほぼないと思っていますが、では腰なのか?
大体が腰からきてるものと考えてみてもいいと思うのですが、
本当に腰だけ?と思う瞬間が多々ございます。
では他にどこがあるのかとなってくるのですが、股関節?下腹部?
やっぱりお腹?といった感じになってきます。
何故お腹なのか。
お腹といっても単純にお腹ではなくて、お腹から診る腰といった感じの場合もあります。
お腹の奥深くを探ればそれは腰となる訳で、
鍼の場合、お腹側から足腰の原因となる筋肉を刺激する事が可能になります。
逆を言うとお腹側から刺激できる筋肉というのは腰側から刺激しづらい物ともいえます。
鍼でも難しいのにマッサージなんて以ての外で、
刺激するのはまず無理。
そんな筋肉というのが大腰筋。
主な働きとして脚を上げたりするわけです。
発端が腰椎から伸びてきて、内太もも、ほぼ股関節部分に付着します。
その際にお腹の中を通ってくるわけですが、
更に周りの筋肉をプラス!
ただでさえごちゃっとしてるのに
お腹の中というのは筋肉のみならず、様々な臓器等も入っています。
こんなギュウギュウな場所ですから臓器が疲れたり、近くの筋肉が凝り固まってしまえば、
それは大腰筋としてはただでさえ狭い空間を更に狭く、縫うように通らなければなりません。
そりゃ動きづらいです。
腰痛が起こるのはもちろんですが、
脚を上げる基本的な動作として歩くことも含まれますので、
歩く事にも支障が出てきます。
脚が前に出づらいなんて訴える方もいます。
大腰筋そのもので考えるとこういった症状になりますが、
原因となる臓器で考えると腎臓と絡みが深く思えます。
単純に腎が近くにあるからって考え方でもいいのですが、
もう少し細かく、神経とかで見てみますと、
腎臓が大体胸椎の11ぐらいから腰椎の2ぐらいの支配で、
大腰筋は胸椎の12から腰椎の3,4ぐらいまでの支配となります。
これを考えますと腎が疲労してたりして、
その状態からのフィードバックが大腰筋を緊張させてしまったりすることもありえると思います。
ちなみに東洋医学でも腎を疲労してしまうと腰痛が出るというのは極々当たり前のこととされて、
腎から大腰筋が?なんて考え方も何らおかしなことではありません。
先に大腰筋は鍼でも刺激が難しいと言いましたが、鍼だからこそ刺激が出来る部位でもあります。
お腹側から中へ刺激していったり、腰の方から深く刺入し刺激することが可能となっています。
何か歩くことやその他足腰の動作に不安が有る方はもしかしたら大腰筋、
もしくは腎が凝り固まってしまっているのかもしれません。
あくまで一つの可能性ですが、他が原因にしたって鍼の効果を感じれる部分だと思いますので、
自分の身体が更に違和感を訴える前に試してみて下さい。