鍼灸院をしていると色々な出会いがあります。
色々な出会いのおかげで色々な年代と経験のお話を伺うことが出来ます。
そんな患者さん達から学んだお話をまとめてみました。
戦後からの日本を支えてきた方の話。
その方から見ると今の若者は、最初に何でもあるからある意味可愛そうかも知れないよねー。
私達の時代は、何にも無かった。
そこから、色々な物が増えた。
それを手に入れた時、凄くうれしっかたけど、今の若者は最初から有るからね。
色々な進化をしているけど、テレビや冷蔵庫が来た時の感動は味わえないよ。
涙出るほどうれしかったよ。
戦前から生きてきた方に、自分はいつも何も言えないと思う。
食べる物が無い。周りで死んでいく人。数十年前、日本にはそんな景色があって、その時を生きた方と、自分達の苦しみはあまりにも違いすぎる。
60数年前日本も戦争をしていたなんて今では信じられない。
ある教育に携わる方のお話です。
「劣等感は意外と大事なものなんです。」
劣等感は人が必ず持っているそうです。
もし無い人が居ればその人は相当な傲慢な人のはずです。
劣等感があるから人は謙虚になり、努力をするそうです。
劣等感は無くせないので、上手に付き合って、自分をより良くする為のエネルギーに変える事が上手な付き合い方らしいです。
そして、劣等感や悔しさの乗り越え方も小さいうちに自然と身に付けさせる方が良いそうです。
大人になってそれを知らないと大変苦労するそうです。
なので、今の順位を付けない運動会は問題があるかもしれません。
いくら、平等に育てても、社会で求められるのは平等ではなく、競争に勝つ力ともしくは会社環境を良くする能力です。
社会で生きる為の子育てをしたいのなら、競争して、劣等感を感じて努力する。
苦しい環境なら、その環境を改善する努力や順応する能力を育てなくてはいけない。
野菜も子供も、厳しい環境の方が、丈夫に育って、良い実を付ける。
でも今の子育ては、ハウス栽培で過剰に肥料を与えている家庭も少なくない。
可愛いのでしょうがないんですけど・・・
今は、可愛い子には旅をさせないで、安全で賢いレールを用意してあげる。
でも、自分で考えなかった子は、実際、社会に出て問題の解決法が解らない。
勉強も大事ですけど、子供の社会の中で学んでほしい。
いじめや嫌がらせは大人になってもあるし、自分が苦手な物にも立ち向かう場面にもある。
いつまでも親がついてては、その子は自分で考えて対応する能力が弱くなってしまう。
昔は部活で殴る先生がいました。
現役の生徒に聞けば、みんな、あんな先生、早く死ねば良いと言ってました。でも、卒業後、その先生に会いに来る生徒は多かった。
今、そんな事をすればすぐに解任ですが・・・
女の子をいじめていた男子生徒を先生が注意をした。
その男子生徒は、その先生を何回か蹴った。
その先生が男子生徒の首根っこを捕まえて、怒った。
それが裁判になる時代です。
教育の現場も、熱意をもって行うより、無難に見て見ぬふりが出来る先生が残り、生徒の事を真剣に考えて、事を起す先生を処罰する。
今だったら金パチ先生、熱中時代の先生、スクールウォーズの先生もみんな解雇です。
おかしいですよね!
当院は実は、教育の関係の方が多いので何人かの話が混ざっています。これらの話を聞いて、勉強になった。
出来れば自分の子供にも運動会で競争をしてほしいと思ったし、勝ってほしいけど負けて悔しい思いもしてほしいとも思った。
社会は色々、不平等に出来ている。
個性があり、人生観、価値観も色々なのだから平等では困ります。
そこで、不公平と嘆くよりも、自分をいろんな意味でより良くする方法を学んでほしい。
自分の子には、大人になって苦しむよりも若い時に劣等感を感じて苦労を買ってでもしてほしいと思う。若い時点で豊かにならず、歳を重ねるごとに少しづつ豊かになってほしいと思う。
親の思いどうりになるのは名前だけとよく言われますが・・・
当院には、60歳半ばで週4回バレーボールをしている方がたまに来られる。
バレーボールの無い日は、スポーツジムに通う。
もと実業団の方で、今でも現役並みに体を動かしている。
本当に凄い!
筋肉は柔らかく、しっかりついている。
これだから、内科疾患も無く、自分が見ている中でもその兆候は無い。
それだけやっているのだから、時折故障もするが、治療回数が極端に少ない。
特に凄いのが、自分が伝えるマニアックなストレッチや筋トレを理解してくれる所がいつも凄いと思う。一般的なストレッチに加え、自分の場合まったく関係ないと思わせる様な所を説明する。
例えば、肘が痛いなら、肩関節はもちろん、背中の筋肉、更に、腰、足と関連する場所を伝えると、本人が体を動かしてみると「なるほど」と感じるらしく、毎日暇さえあればやってくれます。
なので、一、二回の鍼治療で問題点を緩めれれば、後は大抵自分で調整してしまいます。
色々なアスリートを見ていますが、この年齢で、この方に勝る人は簡単にはいないと思います。恐らく昔のスポーツ選手は自分の感性を大事にしていてる。
お酒も添加物(薬やサプリメント系)は一切取らない。
睡眠時間の大切さも理解している。
ホルモンのゴールデンタイム。故障時は多めに寝る。季節、低気圧によっての睡眠の長短。
強すぎるマッサージは体を硬くしてしまう事、痛み止めは絶対使わない事、全て体で感じている。
驚くほどの感性に優れている。
それだけ、人生とバレーボールが密接なんだと思います。
年に数回しか来ない、この方を見ていてスポーツの大切さを再認識した。
サーフィンもそうですが、勝ち負けがあるから続ける訳では無い。
自分の人生をより充実させる為に自分に磨きをかけている。
人は、いつか死んでしまう。
人の人生を見る時、社会性も大事です。
しかし、充実感はもっと大切な物だと自分は思いました。
人は健康な体で、健やかな心で判断することが大切だそうです。
健康第一!34歳は、もうそんな考え方をする歳なんだなとも思いました。
最近、志のある。若い患者さんが何人かきました。
信念をもって生きる事は大変な事だと思います。
世の中、人が多く、組織が大きい程、まっすぐで真面目生きる事は難しくなります。でも、その中でもまっすぐ真面目に生きている人もいる。
ビンボーかもしれないし、社会的弱者かもしれないし、敗北者と言われているかもしれないけど。
でも、最後に人は、賢く、要領良く、人を利用する人よりも、志のある強い人を好むと思います。
みんながそう言っている。
みんながそうしている。
そこでもなお、信念を貫く強さは美徳です。その志や信念を持っているのなら大切にしてほしく思います。
つらく、苦しいと思います。
悪いと思いながらも、みんなと同調する方が楽な時もあると思います。
でも違うと思うなら自分の信念を通してみてほしい物です。
そんな人を、自分は、年齢に関係なく尊敬しますし、必ず応援しますよ!
そんな患者さんのまっすぐな志に学びました。
昔、勤めていた治療院に交通事故でカンボジアの患者さんが来ていました。
その当時、患者さんの年齢は20才でした。
なのにお子さんは4歳と2歳の子がいました。
奥さんも同じ歳のカンボジアの方です。
治療をしながら色々とお話をさせていただいていました。
カンボジアは内戦がひどく自分の両親も殺されたそうです。
そして、何歳か思い出せないぐらい前から銃を持っていたそうです。
殺されたくないので自分でも人を殺したこともあるそうです。
そして、日本に難民として来て日本は天国だと思ったそうです。
バイクも車ももらえるし、テレビも冷蔵庫も捨ててある。買ったこと無いそうです。
解体の仕事を朝から晩まで働いて、週休1日で給料が18万円。
彼は、凄く今が幸せだと語っていました。
毎日、食べられて、殺される心配がない。
そんな事をいつも元気に笑いながら話していました。
凄く良い人でした。とても、20歳には見えませんでした。
凄く肝が据わっていて、真の強さを感じました。
人生の土台が違いました。