2週間ぶりの新患さん。
そして、久しぶりの新患さんは、親父の患者さんでした。
(父の鍼灸院が休みの為。)
問題点はある物の自己ケアの行き届いた体でした。
治療を終え、親父の様に出来たかなと考えながら、他にも考えさせられました。
今回の患者さんに「親父さんは凄いよ!」と言って頂き、喜びと、考える材料を頂きました。
「やって、もらった感は無いけど結果が出る。」(親父の治療の事です)
そうなんです。
東洋医学を極める?と問題点を刺さなくても治るんです。
中から治すとでもいいましょうか不思議な物です。
こういった治療ですから、今時の普通の人には理解しかねます。
体の中から変わるんです。
※すぐに効くものばかりでは無いですが、翌日もっと楽になるとかそんな感じです。
体の状態と向き合うようなアスリートや病人にしか解らない感覚かもしれません。
「鍼をすると、体が軽い。」「若返る」と言う表現です。
※自分的には、父の治療で改善していたとしても、気が付いていない人も山ほどいると思います。
自分も思ってしまうことですが、自分の症状の重度を理解していない人で、効かない。治らない。と言ってもこれ以上良く治せる所が有るとは思えない場合も意外とあります。
有るなら、何の気兼ねなくそちらに行ってほしい。
そして、出来るなら、その治療法を教えてほしいと思います。
本当に良い物であれば、同じ疾患の患者さんを紹介します。
ただ、改善もしないで、やってもらった感が大きいだけや安いだけなら、それは治療家として紹介するに値しないきがします。
自分も鍼灸学校に入るまでは、父しか鍼灸師を知らないのでこれが普通の鍼灸師と考えていました。
しかし、学校に入ると、教員に、なんだこのレベルの低さはと感じてしまったり、勉強会に行っても、あれ?と思う様になり、親父って、凄いの?なんて思う様になりました。
住宅街の古い家で、集客など考えない看板に、ネットも無い時代に口コミだけで人が集まる。
自分の所に近所の患者さんが来て、親父もすぐそこでやってますよ!と言っても「え!何処?」と言う感じです。
父の治療は完全な東洋医学です。
西洋医学の理屈も、病名もそんなに気にしません。
そんな感じです。
でも親父の所には、有名実業団の歴代のキャプテンが来ていたり。
プロの選手が来ていたり。
駐車場には他県ナンバーも日常的。
今回の患者さんの様な、体育大学出身の、いかにも「並」では無い競技者も意外と多く感じる。
昔、手伝だった時も、手術の後が一杯あるような方や一人一人自分なら疲れはてるであろう難しい人が多いと感じます。
学校の先生なら、リスクが大きいから手を出すなとか、それは、治らないでしょうなんて言いそうです。
でも、治療して比較的、結果が出る。
脈を診て、腹に治療をする。
なんでスポーツ選手が東洋医学?腹に治療?と息子の自分が、昔、思ってしまう始末ですから。
そんなこんなで自分と葛藤中です。
ネットも無く、変な広告制限の為、店名と営業時間しか店頭に開示できない父達の時代。
完全に腕だけ来た訳です。
自分の実家ですが、ここで続く事が「ありえない」と思います。
学生当初は、なんで、あそこ(実家)でやれるのか不思議でしたし、なんで、そんなに患者さんが?とか、この車で家が買えるのではと言う車が止まっていたり。
理解に苦しみました。
親父達の時代は食うや食わずで技術を磨き。
教えてやる変わりに、ただ働き。
その結果の今が有り。
技術中心のとてつもなく不便な鍼灸院が出来上がっている。
それでも、患者さんは来る。
そういう親父に負けまいと日々奮闘している自分な訳です。
しかし、苦労に勝る磨き粉は無く、自分の苦労は団塊の世代からすれば、何が辛いか解らんと言う程度でしょう。
戦時戦後を生きた人からすればもっと、苦労不足だと思います。
単純に必死さと苦労が足りないんでしょう。
自分は自分なりに努力します。
こんな父ですから、自分も家で開業している訳です。
インターネットで宣伝しながら。
同級生は治せなくても煌びやかな、鍼灸整骨院を建て、高級車に乗り。
人生の勝ち組負け組みを語ります。
治せなくても儲ける事は出来ます。
それでも医療人なのか?と思ってみたり、車を見れば、良いなーと思ってみたり。
自分は、どう生きましょうか?
保健も効かせない親父の治療。
値段や店舗、利便性は最悪。
経営の利益や安定性など何処吹く風。
理想の為には家族も泣かせる。
その分、患者さんから感謝される程の仕事ぶり。
・・・。
理想を妄想する前に目の前の治療に専念する事にします。