腰痛症

腰痛症の治療論

現代医学において腰痛というのは実は原因不明とされている部分が多く、腰椎ヘルニアや脊柱管狭窄症など、何かしらの変性などがないと治療方法がないとされています。
率直にいうと、原因不明の原因はお医者さんが身体を触らないからだと思っていて、身体を触れば腰に硬さがあるとか、お腹に違和感があるとか少なからず解る事が有ります。
もちろんそれだけでは原因が解ったとは言えないとは思いますが、東洋医学では患者の訴える症状や触ってみて異常が感じられる部位、生活習慣などから腰痛が起こる原因を比較的簡単に見つけることができます。
これは当院に限らず、どの鍼灸院でもそうだと思います。患部のレントゲンやMRIを撮っても解らないことが鍼灸師には解ります。というより大半の腰痛はレントゲンやMRIを撮る必要がないものだと思います。
逆に撮る必要があるものであったり原因がハッキリとあるものというのも、触ったり診たりすれば解ります。撮る前に分かった場合は一度そういうものを撮ってみる事をこちらからもおススメ致します。

原因が解れば後は治療するだけですので、一回一回の治療経過を見ながら着実に腰痛を感じる時間を減らしていく事が出来ます。脊柱管狭窄症やすべり症といったものも簡単とまでは言いませんが確実に効果がありますので、是非お試し頂ければと思います。
自分自身では気付いていない様な悪習や姿勢の悪さなどにも、話をしている間に気付く方もいらっしゃいますので、そうなればより早く良く治るはずです。

腰痛症を治療していくにあたって、腰痛の原因になっているのではないかと言われている物がいくつか挙げられていますので、まずはそれらの説明からさせて頂きます。
原因でよく挙げられるものとしてまず、大腰筋という筋肉が悪さをしてると言われています。大腰筋というのは腰椎の横から大腿骨の股関節近くに付着していて、股関節の屈曲と軽い外旋(足を開く様な動き)を行います。

大腰筋

ここが収縮し硬くなることで、腰の骨が引っ張られて姿勢を悪くします。そして大腰筋を含め、骨盤内を通る腰を支える筋肉が弱り、腰が痛くなる原因をつくります。姿勢というのは簡単にいうとお腹を突き出した様な形(反り腰)になります。

背骨には一つ一つ間に椎間板というクッションの役割を持つものがあり、背骨と背骨の間に隙間を作り、そこから神経が伸びるようになっています。この姿勢でいると、背骨を支える筋肉が使われなくなり、骨だけで身体を支え、クッションを圧し潰す様な状態になります。
そうなると背骨、特に腰椎の隙間が無くなっていき、神経や血管といったものを挟み込み、痛みや痺れ、血流障害などを引き起こします。また、支える筋肉が弱るということは安定性を失う為、過度な負荷や急な運動に弱くなります。
ぎっくり腰や腰椎ヘルニアや脊椎分離症、すべり症といったものも支える筋肉が弱ると起こる症状の一部と言えます。
腸骨筋というのも大腰筋と同じ様な役割を持っていて、二つを合わせて腸腰筋などと呼んだりします。
現代医学ではこの腸腰筋が原因になっているのではないか、と言われていますが、まだ現段階では詳しくは解ってない状態になっています。腰というのは人の姿勢を保つ為にも、動く為にも重要な役割を持つ部分になります。
ここが悪くなれば先にも書いた通り、姿勢は悪くなりますし、歩くことにも支障がでます。そんな要になる部分が筋肉だけが要因で悪くなるかと言われれば、それはやはり違うと思います。
筋肉を主にした考えでは腸腰筋が腰痛の大部分とされていますが、他の神経も一緒に考えていくとそれだけでは無い事が少しだけ理解できます。

東洋医学では胃や腎臓が疲れることでも腰に症状が出ると言われています。これが何故なのか、現代医学から見ても解る部分があります。
腰から伸びる神経というのは、足腰を動かす為の神経だけではなく、内臓へ伸びる神経があります。それがミソになるのですが、人の身体には反射という機能があります。
反射というのは、特定の動作や反応があった時に身体を防衛する為にその動作を阻止したり、拒否反応を示したりする様な物であったり、身体の異常があった場合に本来起きない動作が特定の条件化で起きたりするものを指します。

また反射の中には、
内臓の働きによって身体の一部に反応が出る、内臓ー体性反射。
ある内臓が特定の条件下で別の内臓に働きを促す、内臓ー内臓反射。
身体の一部が動いたり刺激を受けることで内臓へ反応が起こる、体性ー内臓反射。
というものもあります。
本来神経の伝達というのは末梢から脊髄に行き、脳へ行き折り返してくる流れなのですが、反射というのは脊髄から脳へ行かずに末梢へ戻ってきます。
この様な原理からなのか、内臓を支配している神経が伸びて来る部位とその付近の筋肉というのはセットで反応します。逆も然りで、筋肉の状態によって、その部位から伸びる神経の支配を受けた臓器の状態は変わっていきます。

腰というのは主に腎臓、膀胱、少し上では胃なども支配する神経が伸びています。更に仙骨部分まで含めれば子宮などにも関わってきます。つまりここまでの話から考えると、腎臓、膀胱、胃、子宮が疲れることによっても腰痛は起こるものと考えられます。
ここから先は東洋医学的な話になってしまうのですが、腎臓が疲れる要因としては、夜更かし、冷えがまず考えられます。冷えというと伝わりづらいかもしれませんが、冷たい物に触れたり摂取したりといった直接的な冷刺激もそうなのですが、飲食物の性質によって起こる冷えが気付かずに身体を蝕んでいることが多いです。
まず考えられる物としては南国の飲食物です。南国のものというのは暑いところで育ってきた分、逆にその土地の人達が暑さに耐える為に冷やす作用を持っています。それを考えてみますと、コーヒーやバナナ、砂糖(トウキビ)なども南国の物なので、身体を冷やす作用があると言えます。
日常的に摂取するものなので気付きづらいですが、これを減らすか減らさないかで腎臓への負担が変わり、腰痛が出る出ないに関わってきます。
腰が何となく弱々しく、下っ腹が出てしまっている方は、一度こういった食生活も含めた日常生活を見直してみる事をオススメします。

また、胃の調子も関わってくると言いましたが、胃もたれや胃炎といった症状を抱える方というのは、大体の方が腰から背中にかけて突っ張った感覚を持っています。これもやはり胃の支配神経が伸びているからなのか、疲れが筋肉に表れます。この張りを緩めるだけでも胃の調子というのは整っていきます。
鍼灸が内臓の調子を引き上げることを可能としているのは、こういった内臓からの反応を利用してるからだともいえます。
これらのことから腰痛の問題点を1つにせず、筋肉、内臓、生活習慣などトータルに診ていくことが重要になってきます。整形外科等ではここまで考えてはくれないと思いますので、この様な理由からも鍼灸がオススメです。

婦人科疾患胃腸症状坐骨神経痛の3つも一緒に参考にして頂けると尚、腰痛への理解が深まるかと思います。

腰痛症について(おまけ)

腰痛は筋肉だけでなく内臓からもきますが、このページで挙げたような腎臓、膀胱、胃の他にも、女性特有の症状でも関連して腰痛が出ます。
身体の要になる部分ですので、放置して良い事など一つもありません。違和感を感じたら直ぐに治すぐらいの気構えで腰というものを考えて頂ければ、あまり不自由せずに生活できるはずです。

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